胃・大腸内視鏡について

大腸内視鏡検査


「大腸内視鏡検査は苦しい」と聞き、不安なのですが?

たしかに大腸内視鏡検査は苦痛を伴うといわれています。「お産よりつらかった」などと聞くこともあります。しかし、熟練した医師が鎮痛剤や鎮静剤を使用しながら検査をおこなうと、驚くほど苦痛は少ないものです。極端に腸が長い人や高度の癒着がなければほとんど痛みはありません。多くの人がウトウトしたり、寝ているうちに検査が終了します。

 

大腸内視鏡検査前の前処置(腸のなかをきれいにする)はどのようにするのですか?

前日夜に下剤をのみ、当日腸管洗浄液を1.5~2リットルのんでもらいます。この液は腸管でほとんど吸収されずに出てきます。洗浄液を約1時間でのんでもらい、数回の排便後、便が透明な水様になってから検査が始まります。具体的な方法は、予約の際に看護師よりご説明致します。

腸内に強い狭窄がある状態で洗浄液を飲むと腸閉塞や穿孔の危険性が報告されています。このような状態が疑われる場合には洗浄液を飲まずに、下剤と食事制限、そして浣腸による前処置に変更することがあります。 いずれの方法でも、前処置が不十分と判断した場合は、浣腸を追加することがあります

 

前処置中に強い腹痛が出たらどうしたら良いでしょうか?

ただちに服用を止めて、クリニックに連絡してください。

 

大腸内視鏡検査に要する時間について教えてください。

検査自体は10分程度です。一番奥の盲腸まで挿入するのにだいたい1~5分、観察しながらの抜去するのに5分くらいかかります。腸が長い方、ポリープをとる場合などはもう少し時間がかかります。

 

大腸内視鏡検査でポリープがみつかった場合、その場でとってもらえますか?

予約時点で、「検査時にポリープが見つかったら切除を希望します」とおっしゃってください。その場合は、ポリープが見つかり次第切除いたします。ただし、日帰り手術での切除はだいたい1cm以下のものが3~4個くらいを目安としています。数が多い場合は何回かに分けてとることになります。大きなポリープが見つかった場合は、入院が必要になりますので、切除せずに入院できる施設を紹介させていただきます。切除した場合、帰宅後1週間は以下のことが禁止になります。

  • 遠くに行く
  • 重いものを持つ(腹圧のかかること)
  • 飲酒
  • 運動
  • その他、運転や入浴も多少制限を加えることがあります。

この禁止事項が守れる条件の方(事前に承諾書をいただきます)のみ当日ポリープを切除させていただきます。稀に出血などが起こりますので、切除後1週間は重要なイベントは入れないでください。詳細は終了後、パンフレットをお渡しします。

 

ポリープ切除が出来ないのはどのような場合ですか?

サイズが極めて大きい場合(入院が必要になります)

ポリープのある場所まで内視鏡を挿入することが困難な場合

腫瘍が下に浸潤して、取りきれない(手術が必要)と判断した場合

心臓、肺、肝臓、腎臓障害に重大な障害を有する方(入院での切除が好ましい)

心臓ペースメーカーを使用されている方

血液をサラサラにする薬を中止することが危険な場合

こちらからの指示が守れない方

などです。

 

血液をサラサラにするような薬(バファリン、アスピリン、パナルジン、ワーファリンなど)を服用しているのですが、ポリープを切っても大丈夫でしょうか?

検査日の約1週間前からこれらの薬を中止していなければポリープをとった後に大量出血する危険があります。薬剤中止にあたっては、薬を処方している先生の許可が必要ですので、問い合わせ後の予約になります。これらの薬をお飲みの方は最初の受診時にお申し出ください。

 

切除したポリープの病理結果はどのくらいで分かるのですか?

だいたい1週間で出ますが、病理医の都合で遅れる場合もあります。当院では確実にお伝えするために2週間後にご来院いただくようお伝えしています。

 

ポリープといわれましたが、癌かどうか心配です。

5mm以下のポリープは99%以上が良性病変です。とくに3mm以下のものは無理にとる必要はありません。しかし、6mm以上になると部分的に癌化している確率が高くなっていきます。ただし癌化していても、その癌が粘膜(最表層)にとどまっていれば、基本的には内視鏡のみで治癒可能ですので心配はいりません。内視鏡で切除できる病変の大多数は、内視鏡のみで完治する病変なのです。仮に切除後、病理検査で第2層に入っていたために腸切除が必要になったとしても、きちんと治療をすれば治癒率は98%です。

 

大腸内視鏡検査の合併症にはどのようなものがありますか?

内視鏡検査時にもっとも注意しなければならないのが穿孔(腸に穴があくこと)で、全国の平均が0.03%(約3300分の1)です。当院の場合は0.005%(2万分の1)以下ですが、最近の10年間は0%(1万分の0)です。前処置でも合併症が稀に起こりえます。腸閉塞、腸穿孔、虚血性腸炎などです。腸閉塞と腸穿孔は最近問題になっていますが、ほとんどの例で腸に高度狭窄がある高齢の患者さんに発生しています。検査施行前に腹痛が続いていたり、排便異常が出現した場合、必ず腸管洗浄液の服用が可能かどうかをお問いあわせください。また、洗浄液服用中に強い腹痛が生じた場合はすみやかに中止し、クリニックに連絡をお願い致します。虚血性腸炎は、下剤服用後にも洗浄液服用中およびその後にも出現します。症状は強い腹痛で、血便を伴うこともあります。ほとんど自然治癒しますが、症状が強い場合には連絡をお願い致します。

 

ポリープ切除時の合併症としては、どのようなものがありますか?

出血と穿孔があります。穿孔はきわめて稀で、当院は経験がありません。しかし、出血は0.5~1%前後の確率で発生します。これを0%にすることは不可能です。出血はポリープ切除後数日以内が多く、その99%は1週間以内です。出血量も比較的少ないことが多いのですが、切除後の便を見て、便全体もしくはほとんどが血液の場合には連絡をお願い致します。安静や内視鏡止血処置でほとんどが止血しますが、大事をとって入院していただくこともあります。手術が必要になったり、輸血を要することはきわめて稀です。便に少し血がつく、あるいは血が混じる程度の場合は、安静を保ちながら様子を見ていただいても結構です。

 

内視鏡でポリープを切除する時の痛みについて教えてください。

痛みを感じるのは腸がのびる時です。ポリープ切除の際には全く痛みを感じません。

 

 

大腸ポリープを切除した後、いつから仕事が出来るのですか?

デスクワークであれば翌日から可能です。しかし、重いものを持ったり、かなり身体を動かす仕事の場合は、1週間ほど休んでいただいたほうが無難です。また、1週間は出血などの可能性がありますので、重要な会議やイベントを予定に入れないでください。運転も数日から1週間は控えたほうが良いでしょう。

 

注腸検査(バリウム検査)と内視鏡検査の利点、欠点を教えてください。

大腸の場合、内視鏡検査はもっとも精度の高い検査で、今問題になっている平坦な癌の発見に有効です(100%ではないのですが)。診断と治療が同時におこなえるのも利点です。苦痛さえなければ、内視鏡検査のほうが勝っています。問題は大腸内視鏡の場合、達人クラスのドクターが少ないことです。経験の少ないドクターに内視鏡検査をしてもらうと「苦痛が強かった」という結果になりかねません。バリウム検査の欠点としては、レントゲン被爆の問題、平坦型の癌の発見が難しいこと、病変が見つかればさらに内視鏡検査が必要になることなどがあげられます。ただし、高度癒着などで深部まで内視鏡を挿入困難な方にはバリウム検査のほうが良い場合もあります。

胃内視鏡検査


胃カメラがとてもつらかったのでもう二度とのみたくないのですが・・・・

当院の胃内視鏡検査は鎮静剤(時に鎮痛剤も)を使用するので、楽にのむことができます。以下の3つの方法から選択可能ですので、来院時にお申し出ください。

1.  のどの局所麻酔と鎮静剤を使用する方法(鎮痛剤は使用しません)。

初回の方、内視鏡検査に恐怖を感じている方などにお薦めです。検査終了後1時間ほどベッド上でお休みいただきます。とくにお申し出のない時はこの方法をとらせていただきます。

2.  鎮痛剤、鎮静剤を注射して検査する方法(のどの局所麻酔はおこないません)。

以前検査が苦しくて上手くできなかった方などは、この方法が良いと思います。検査終了後1時間ほどベッド上でお休みいただきます。

3.  のどの局所麻酔のみの方法(鎮静剤、鎮痛剤は使用しません)。

以前、のどの麻酔のみ(他院での一般的なやりかた)でそれほどつらくなかった方、終了後すぐに帰宅したい方にお薦めです。世間一般的に行われている方法ですが、のどの反射の強い方には不向きです。

1、2の方法の場合、多くの方がこのように楽なら毎年受けても構わないとおっしゃいます。しかし、稀に極めて反射の強い方がいて、2の方法にのどの局所麻酔を追加することがあります。どのような方法でも苦痛を訴えられる方が極めて稀にいますが全体の1%以下です。

 

胃のポリープを外来で切除したいのですが、可能ですか?

胃のポリープ切除は、大腸に比べ出血のリスクが高いので、できれば入院できる施設で切ることをお薦めします。当院では行っておりません。

 

胃カメラ終了後に仕事があるのですが、可能でしょうか?

鎮静剤を使った検査後は、多少物忘れをしたり、正しい判断が出来ないことがあります。重要な判断を要する仕事、運転等は禁止になります。どうしても仕事が入っている時は鎮静剤なしの検査をお薦めします。運転はいずれの方法でも危険ですので、当日はご遠慮いただきます。

 

ピロリ菌の検査をしてほしいのですが・・・・

可能です。基本的には、内視鏡検査で慢性胃炎を認めることが必要です。

検査方法は、下記のいずれかです。

  • 組織検査(内視鏡検査地に組織を取って調べます)
  • 抗体検査(血液検査)
  • 尿素呼気試験

 

ピロリ菌の除菌をしてほしいのですが、保険で可能ですか?

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、一部のリンパ性腫瘍、平成25年5月から慢性胃炎に対して除菌治療が保険適応になりました。慢性胃炎は、最終的に胃癌などの腫瘍原因リスクが高いので、除菌することをお薦めします。

 

ピロリ菌除菌、および判定法について教えてください。

除菌は、抗生物質を2種類と潰瘍の薬を1種類、計3種の薬を1週間服用してもらいます(当院では、抗生剤による下痢予防のためにビフィズス菌製剤を足した4種類の薬をのんでもらいます)。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合は、その後5~7週間潰瘍の薬をのんでいただき、薬を中止します。その1~2ヵ月後に再度内視鏡検査をおこない、潰瘍の治癒状態のチェックと除菌の判定をおこないます。ちなみに除菌の成功率は、一次除菌で70%、二次除菌で90%程度です。